伊藤正一氏が 地球化学研究協会奨励賞を受賞しました。

2005年12月3日土曜日
第4回 地球化学研究協会奨励賞
受賞者 伊藤正一 博士
研究題目 始源的隕石による太陽系初期進化の研究     
Early evolution of the solar system decoded from primitive chondrites

 伊藤正一博士は,二次イオン質量分析法を独自に発展させることにより固体微笑領域における同位体分析法を確立した. その分析法を隕石に応用することにより,コンドリュールを含んだ難揮発性包有物という世界ではじめての複合物質を見出した.
 この物質は,太陽系で最初に生まれた岩石は難揮発性包有物でありその後コンドリュールが生まれたという1969年後半から信じられていた学説を覆す証拠になるものであり,「難揮発性包有物とコンドリュールが太陽系形成当初から同時に作られていた」という伊藤博士の新説は研究者たちに大きなインパクトを与え,その後の隕石研究の新しい方向性を導いた.伊藤博士の研究は,国際学会での招待講演やStudent Paper Awardを受けている.これらの業績は,地球化学研究協会奨励賞に十分値するものと判断される.


地球化学研究協会学術賞「三宅賞」及び「奨励賞」について
 三宅泰雄教授退官記念事業として1972年に設立された地球化学研究協会は、その翌年から、地球化学に顕著な業績をおさめた科学者に、毎年、地球化学研究協会学術賞「三宅賞」を贈呈しています。
 また2001年度からは、若手研究者に対し行ってきた研究助成を「奨励賞」と改め贈呈しています。

地球化学研究協会へのリンク:http://wwwsoc.nii.ac.jp/gra/